「紙はオンラインに消えてゆく」

1990年代半ばにインターネットが普及し始め、21世紀に入ると情報通信技術のインフラが国の施策として整備されるようになりました。
デジタル時代の入り口に立ったちょうどその時に耳にした言葉が「紙はオンラインに消えてゆく」でした。
2010年代に突入すると社会はデータ大流通時代と位置づけられ、公共データや個人データなどのデジタルデータの利活用がより積極的に展開されるようになりました。
そして私たちが取り扱う「紙」は、主として情報伝達媒体、包装材、衛生用として利用される生活消費財であることから、なにかとデジタルと対比され優劣論に巻き込まれる機会も多くなり、そのたびに空を見上げる日が続いたことを思い出します。

当社が取り扱う「紙」は、主に植物繊維を絡ませてつくられたものです。
従って、リサイクル(再生)が比較的容易であり、環境に優しい素材と言われます。
そして「紙」は、枯渇資源を消費してつくられるものではなく、主原料である木材などは植林等によって再生可能な資源です。
古紙の利用分だけ森林資源量を抑え、それは森林資源の保護に寄与することとなります。
このような素材である紙のリサイクル、いわゆる古紙の再利用を進めることは、ごみの減量に結びつき、これからも製紙原料として重要な役割を果たし、森林資源の保護は「紙」だけに留まらず、私たちや生物に必要な酸素を供給し、地球温暖化を緩和します。
強い雨風や、日光をやわらげる森は、動物や昆虫、植物にとっても安心して生息できる環境の形成に貢献します。

他方、生まれたときからインターネットが身近な「デジタルネイティブ世代」が主軸の社会はコミュニケーション方法やモノの買い方・使い方がそれまでの世代と異なることから、「紙」の生産と消費に大きな影響を与えています。
そして、社会を俯瞰すれば、これまでの生活や経済を支えてきたシステムそのものが大きな転換期であることを実感させる事象が毎日のように起きています。国連がSDGs(持続可能な社会)を提言していることからも分かるように、令和は「社会課題を解決する時代」です。

いろいろなモノやコトを作り直す時代なのかもしれません。
培ってきた経験、知恵を活かし、古紙回収を軸としてつねにチャレンジし続ける企業として社会に貢献してまいります。